八田豊 / ハッタユタカ
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八田豊、福井県を拠点ひ活動する現代美術家。1950年代から作家活動を開始し、福井県の美術家たちによって戦後結成された「北美文化協会」に参加します。やがてパルプボードやアルミ板を支持体として幾何学模様を線刻する手法による前衛的な作品は、全国的な評価を獲得しました。しかし80年代に視力を失い、それまでとは表現方法を大きく転換させます。絵の具がキャンバスの上を流れてゆく音を頼りにした平面作品や、福井県の特産物である越前和紙、そして和紙作りの過程で廃棄される楮などを用いて指先で確かめながら画面に素材を貼り付けていく作品たちは、視覚のみに頼らない八田独自の絵画表原を確立しています。