張度 / ちょうど
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字は吉人、号は叔憲。後年には「闢非老人」「抱蜀老人」「松隱先生」と号し、自ら「無意識界老衲」と署名した。浙江省長興県の出身。河南省知府を務めた。家は富裕で収集を好み、鑑賞眼に優れていた。潘伯寅(潘祖蔭)、陳壽卿(陳介祺)と共に金石学を研究した。さらに小學(初等学問)にも熱心であった。書法に巧みで、篆書・隷書を得意とし、筆意は古拙そのものでありながら、結体は典雅であった。五十歳を超えてから絵画に取り組み始め、山水画においては筆致が落ち着き、色彩は古風で厚みがあった。人物画には漢時代の墓室壁画を思わせる趣があった。