新宮晋 / しんぐうすすむ
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新宮晋は、風や水などの自然エネルギーを動力とする動態彫刻で国際的に高い評価を受けている芸術家である。東京藝術大学で絵画を学んだのち、1960年にイタリア政府給費留学生として渡欧し、ローマ国立美術学校でフランコ・ジェンティリーニに師事し、鉄線のフレームにキャンバスを縫い付けた立体作品を発表した。1967年に帰国後、日比谷公園での個展「風の造形」で注目を集め、1970年には大阪万博に出展した。翌1971年にはハーバード大学視覚芸術センターの客員芸術家に招かれる。その後も一貫して自然の力によって動く場に即した彫刻を制作し、世界各地の公共空間に恒久設置されている。代表作には、ボストンのMBTAポーター・スクエア駅に設置された《風のおくりもの》(1985年)や、大阪の関西国際空港に設置された《はてしない空》(1994年)があり、いずれも象徴的なランドマークとなっている。さらに、レンゾ・ピアノなどの建築家との協働に加え、世界各地で多様なプロジェクトを展開し、絵本や舞台芸術へも表現領域を広げている。