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草間彌生 夏

  • LOT

    817

  • 作者

    草間彌生 ( 1929 - )

  • 予想

  • 結果

  • 詳細

    アクリル、色紙 額装 1983年
    サイン、年。
    裏にタイトル、制作年、サイン。
    株式会社草間彌生発行作品登録カード。
    来歴:銀座、たけだ美術
    本作《夏》(1983年)は、草間彌生の中期制作を代表する重要な作品である。画面全体には柔らかく霧のような質感が漂い、その中から赤と黒の揺らめく色面が浮かび上がる。画布一面には、1960年代以来一貫して探求してきた代表的モチーフ「網」が繰り返し展開されている。
    赤と黒の対比は象徴的な緊張感を生み出す。赤は情熱、生命力、内なるエネルギーを喚起し、黒は影と不安に覆われた存在を暗示する。これらの色彩は煌めく下地の上に重なり合い、草間自身が幻覚や強迫的視覚体験によって深く形作られてきた内面的風景を鮮烈に表現している。作品タイトル《夏》は、心中の熱気と季節的な強烈さをさらに強調し、感情の高まりと溢れ出る精神的エネルギーを観る者に伝えている。
    草間彌生は、戦後日本を代表する前衛芸術家であり、絵画・彫刻・インスタレーション・パフォーマンス・文学といった多岐にわたる創作を通じて、独自の表現世界を築いてきた。1957年に単身渡米し、ニューヨークを拠点に活動を開始。1960年代には、水玉模様(ドット)やモチーフの反復を用いた作品で注目を集め、ミニマリズムやポップ・アート、フェミニズム、反戦運動といった当時の芸術潮流とも交差しながら、国際的な評価を得た。
    草間の作品には、幻覚や強迫観念に由来するとされる水玉や網目模様、かぼちゃなどのモチーフが繰り返し用いられ、自己と宇宙、現実と幻想の境界を曖昧にする没入的な空間が創出されている。これらの特徴は、彼女自身が幼少期から抱えてきた精神疾患の体験に深く根ざしており、芸術は「生き延びるための手段」であったと語られている。
    その作品は、ダラス美術館、ハーシュホーン美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、テート・モダン、ポンピドゥー・センター、金沢21世紀美術館、大阪中之島美術館など、世界各地の主要美術館に収蔵されており、現代において最も著名かつ影響力のある女性芸術家の一人である。
    68.0×35.8cm
    (26 ¾ × 14 ⅛ in) 

  • 主催

  • 名称

  • 図録

  • 開催

    2025/10/23

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