1833
会員限定
1968年
クリスト・コッツィーは、具体美術協会に参加した唯一の南アフリカ出身の作家である。1960年頃に来日した後、吉原治良の指導のもとで制作を行い、その後南アフリカへ帰国した。本クリスマスカードは、1968年に南アフリカから芦屋の吉原へ送られたものと考えられ、帰国後も両者の交流が続いていたことを示す貴重な資料である。また、「具体」が築いた国際的なネットワークと、日本国外にも続いた芸術的なつながりを伝えるものでもある。
クリスト・コッツィーは、1950年代後半からヨーロッパや日本の前衛美術と深く交わり、非芸術的素材を大胆に取り込んだアッサンブラージュを展開した。ピンポン球、乾燥した木の根、自転車部品など日用品を画面へ定着させ、物質の重層性や視覚構造の揺らぎを探求する手法が特徴となる。作品にはしばしばバロック的な造形感覚が宿り、装飾性と実験性が共存する独自の視覚世界を形成した。国境や美術体系の枠を超えて活動を展開し、南アフリカ出身の作家として国際前衛の文脈に確かな位置を築いた点が評価されている。
2026/10/21
会員サインイン