1852
田中敦子 ( 1932 - 2005 )
会員限定
合成樹脂アクリル塗料、キャンバス 額装 1973年
裏に制作年、サイン。
金山明・田中敦子アソシエーション発行作品登録カード。
1950年代に具体美術協会に参加して以来、田中敦子は「線」と「円」によって構成される独自の視覚言語を一貫して探求してきた。後年の絵画においては、これらの要素は電線のように延び広がり、交錯する線のネットワークへと発展し、重なり合う曲線や円形の結節点は、画面上におけるエネルギーの伝達と循環を示唆するものとして現れる。
1970年代に入ると、その絵画は初期の比較的簡潔な構造から、より動的で解放的な線的構成へと移行する。本作に見られる密度の高いリズミカルな構成は、色彩、線、空間を有機的に交錯させ、混沌と秩序が共存する視覚的な調和を生み出している。それは、身体的な動きや時間、さらには精神的エネルギーを絵画表現へと転換する、田中の独自の方法論を明確に示すものである。
本作は、戦後抽象絵画における田中敦子の成熟した表現を体現する一例である。鮮烈な赤、黄、青、黒といった色彩が画面を構成し、うねるように連続する線は電流やエネルギーの流れを想起させる視覚構造を形成する。力強く速度感に富んだ筆致は、画面全体に高度な動勢と緊張感をもたらしている。
田中敦子、日本の美術家。「具体美術協会」の主要なメンバーの1人として活躍し、電飾を身にまとう「電気服」を制作。そしてそれを絵画化するようになると、生涯に渡って同じテーマに取り組み続けた。フランスの美術批評家ミシェル・タピエ氏の目に留まり高く評価され、以降国内外で評価され、日本でも1980年代より再評価が進み、近年更なる注目を集め、草間彌生、オノヨーコに並ぶ偉才と評された。
主な収蔵先:ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ストックホルム近代美術館、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、横浜美術館、国立国際美術館、京都国立近代美術館、兵庫県立美術館。
53.0×45.5cm
(20 ⅞ × 17 ⅞ in.)
2026/04/25
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