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井上有一 ( 1916 - 1985 )
会員限定
ボンド墨、和紙 掛軸 1980年
タイトル、印「有一」、サイン。
CR80081
裏に海上雅臣鑑定シール。
本作に書かれているのは、宋代の中国禅僧の無学祖元が詠んだ詩です。
来歴:鎌倉某画廊。
出版:「井上有一全書業Vol.3」P.319、CR80081、UNAC TOKYO
この詩は南宋の高僧・無学祖元によって作られ、禅宗における空性と解脱の体悟を示している。
「乾坤無地卓孤筇」の一句は、寄る辺なくさまよう修行者を象徴し、
「喜得人空法亦空」は、人と法がともに空であることを悟った歓喜を表している。
「大元三尺剣」は鋭い智慧を象徴し、詩人はこの剣によって「電光影裡斬春風」――電光のような一瞬の閃きの中で春風を断つ――と詠い、迷妄や惑わしを一刀のもとに断ち切ることを示している。
この結句「電光影裡斬春風」は、やがて禅林に広く伝わる名句となった。
井上有一、1916年東京生まれ、20世紀後半の日本を代表する芸術家である。彼は、丸坊主で巨大な筆を振りかざし、墨を飛び散らせ、地面に這い、転がり、まるで周りに誰もいないかのように作品を作り上げる、荒々しく自由奔放な人物としてよく知られている。「昼間は普通の学校教師、家では前衛芸術家」と、彼を知る人々は彼を評した。日本が高度経済成長に酔いしれる中、彼は無名のまま、しかし着実で純粋な生き方を貫き、やがて日本を代表する芸術家として、自らを研鑽し、世界の美術史に足跡を残す存在となった。
142.0×194.0cm
(55 ⅞ × 76 ⅜ in.)
2025/10/23
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