1840
向井修二 ( 1940 - )
会員限定
ミクストメディア 額装 1993年
裏にタイトル、制作年、サイン。
作品登録証。
向井修二は、戦後日本の前衛美術を代表する「具体美術協会」の第2世代を担った作家の一人である。1959年に具体美術展へ初出品し、1961年に具体美術協会へ加入。以後、○、×、△などの独自の記号を画面や空間に無数に配置する「記号」の作品を一貫して展開した。1961年の《記号の部屋》では、絵画のみならず自らの身体を含む空間全体を記号で埋め尽くし、絵画の枠を越えて環境そのものへと表現を拡張した。向井にとって記号は特定の意味を伝えるためのものではなく、反復と集積によって画面や空間を構成する独自の造形言語である。無数の記号が生み出すリズムとエネルギーによって、絵画と空間の境界を揺さぶり、世界そのものを新たな記号の体系として捉え直すことが、向井の「記号」作品における重要な特徴である。
本作において重要なのは、記号を物体の表面に描くことそのものではなく、記号によって物体そのものを「記号化」するという発想である。ピラミッド状の立体は、無数の記号によってその表面を覆われることで、本来の形態や物としての意味を超え、記号が集積する新たな構造へと変容していく。これは、絵画や空間を記号で埋め尽くしてきた向井の「記号化」が、1990年代に入り、物体そのものの意味や価値を別の状態へと移行させる試みへ展開したことを示している。
21.5×25.0cm
(8 ½ × 9 ⅞ in.)
2026/10/21
会員サインイン